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        <title>株式会社日本防犯ネットワーク</title>
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        <language>ja</language>
        <copyright>Copyright 2009</copyright>
        <lastBuildDate>Wed, 11 Feb 2009 19:28:49 +0900</lastBuildDate>
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            <title>ゴミ捨ての瞬間を狙われて</title>
            <description><![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="防犯事例６：ゴミ捨ての瞬間を狙われてイメージ画像１" src="http://www.j-cp.net/casestudy/case_006_01.jpg" width="150" height="180" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>男は毎日のように新興住宅地を歩き回り、手ごろな家を物色していた。歩き回る時はいつもセールスマンに扮（ふん）し、スーツ姿にアタッシュケースという出で立ちだったため、怪しまれることはなかった。<br />
1月も終わりに近づき、年末の実入りも底をつき始めた頃だった。男が次に目をつけた新興住宅地は、電車の駅まではバスで15分、小学校にも歩いて20分以上かかるような所にあり、病院や交番、銀行なども未整備で、やや不便な立地だった。</p>
<p>その地域の燃えるゴミの指定日は、火曜日と金曜日だった。<br />
男が下見に来たのがたまたま火曜日で、朝7時40分に安藤久美さん（42歳）が慌ただしく家からゴミ袋を持って集積場に行ったところに出くわした。集積場までは約30メートルの距離がある。<br />
「へぇ、鍵は掛けないんだ......」<br />
男は久美さんの様子をじっと見つめていた。</p>
<p>そして翌週の火曜日の朝、用意を周到に整えた男は、7時30分から久美さんの家を見張っていた。<br />
7時43分、大きなゴミ袋を持った久美さんが玄関から出て、集積場に向かった。いつも通り鍵は掛けていない。男は素早くその玄関から久美さんの家に入った。そして玄関脇の和室に入り込み、久美さんの帰宅を待った。<br />
何も知らない久美さんは、ゴミを出し終えて家に戻った。朝食の後片付けや掃除を済ませたら、10時から4時までのパートに出かける支度をしなければならない。<br />
カチャ。玄関のドアに鍵を掛ける音が、和室に潜んでいた男に聞こえた。<br />
久美さんがサンダルを脱ぎ、上がり框（かまち）に足をかけた瞬間、和室から男が現れた。<br />
「きゃ......」<br />
声を出そうとしたが、それよりも早く男は久美さんの口をふさいだ。<br />
「騒ぐな！」<br />
男は持っていた庖丁を突きつけると、丸めた軍手を久美さんにくわえさせ、その上から粘着テープを貼った。そして、久美さんを和室に引きずり込んだ。<br />
「脱げ！」<br />
怯えた久美さんは、震えておぼつかない指で服を脱いでいった。<br />
下着姿になった時、男はいきなり久美さんに覆いかぶさり、ビリビリ音を立てて下着を破り取った。ナイロンの下着は細い紐状になり、久美さんの肌には食い込んだ跡がついた。全裸になった久美さんはなんとか命乞いをしようとしたが、声が出ない。どうしようもなく、土下座をして見せた。だが、そんな様子にはおかまいなく、男は久美さんの両手を粘着テープで巻き、仰向けにひっくり返すと、ズボンと下着を脱ぎ捨て、久美さんに襲い掛かった。</p>
<p>久美さんにとっては何時間にも思われたが、実際には数分しか経っていなかった。元のスーツ姿に戻っていた男は、意識が朦朧（もうろう）として横たわる久美さんに、<br />
「四つん這いになれ！足を開け！」<br />
と野太い声で命じた。<br />
男は久美さんの背後に回ると、デジタルカメラを取り出し、久美さんのあられもない姿を撮影し始めた。何枚もシャッターを切る音が、久美さんの耳にも聞こえてくる。<br />
「やめてぇ！」<br />
声にならない久美さんの悲鳴は、あふれる涙となり、畳の上にこぼれ落ちた。<br />
デジタルカメラには、次々と久美さんの写真が映し出されては、保存されていった。久美さんは発狂しそうだった。<br />
男はデジタルカメラをコートのポケットにしまい込むと、久美さんに金を要求した。<br />
久美さんには逆らう気力もなかった。心身共にボロボロだった。手に巻かれた粘着テープをほどかれた久美さんは、静かに服を着始めた。<br />
「さっさとするんだ！」<br />
脅されても、久美さんには急いで行動する力も残っていない。かろうじて服を着たあとは、男の要求に従って家の中にある現金を集めて歩くしかなかった。</p>
<p>久美さんが男に渡した現金は、全部で27万円だった。<br />
不意の出費に備えて常に手元に置いておくことにしている20万円、小学校5年生の娘が通う塾とお稽古事の月謝の5万円、そして財布に入っていた1万円札、千円札、そして小銭までも合わせた2万円だった。<br />
男は現金をアタッシュケースの中にバサッと放り込むと、久美さんに向かって言った。<br />
「奥さん、いい写真をありがとうな。ゆっくり楽しませてもらうよ」<br />
不適な笑みを浮かべた男は玄関を開け、静かに出て行った。</p>
<p>午前10時半。普段は遅刻をしない久美さんが現れないことを案じたパート先の上司から電話が入った。放心状態だった久美さんはやっとの思いで受話器を取った。そして強盗に入られたことだけを告げると、泣き崩れてしまった。<br />
久美さんの身に異変が起こったことを察した上司は、機転を利（き）かせて、久美さんの夫である一也さん（45歳）の勤務先の会社に連絡を入れた。<br />
驚いて帰宅した一也さんに、久美さんは本当のことを言えなかった。ただ、強盗が入ったこと、脅されて現金を渡したことだけを話した。<br />
一也さんは久美さんに言った。<br />
「どうしてすぐに110番しなかったんだ！」<br />
久美さんは何も答えず、ただ泣くだけだった。久美さんは心の中でつぶやいていたのだ。<br />
「どうしたらいいの？あなた、ごめんなさい」<br />
一也さんは詳しい事情がわからないまま、すぐに警察に連絡した。<br />
駆けつけたベテランの警察官は、久美さんの様子にピンときたため、女性の捜査官から事情を聞き出させた。久美さんは泣きながらすべてを話し、事態は一也さんにも知らされることとなった。そのことで、久美さんはさらに深く傷ついた。</p>
<p>２カ月後、似顔絵がもとで、男は隣町で逮捕された。<br />
男の手帳には50軒近い家の情報が記されていた。男は久美さんと同じような手口で襲った12件の犯行を自供したが、警察官が裏付け調査に訪れても、事件があったと認める家は1軒しかなかった。</p>]]></description>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">防犯事例紹介</category>
            <pubDate>Tue, 09 Dec 2008 17:33:55 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title>マンションの屋上からやってきた男</title>
            <description><![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="防犯事例５：マンションの屋上からやってきた男イメージ画像１" src="http://www.j-cp.net/casestudy/case_005_01.jpg" width="150" height="180" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>証券会社でトレーダーとして活躍する高橋幸太さん（28歳）が住んでいるのは、若者たちにとって憧れの住宅地にある賃貸マンションだ。1年前に、それまで住んでいた小さなアパートから、「自分への褒美」とばかりに、この新築のマンションに引っ越してきた。<br />
母親の佳代子さん（54歳）は、都心から電車で3時間以上かかる地方の町に住んでいるが、息子の活躍には日頃から目を細めており、マンションを選ぶ時にはずっと一緒について回った。<br />
幸太さんの家は、10階建てマンションの最上階にある。幸太さんが佳代子さんを伴ってこの部屋を見に来た時は、すでにその日の3軒目で、夕方にさしかかっていた。東側には夕日に照らされる都会の高層ビルが、西側には遥か遠くに連なる山が望めた。<br />
「最高の見晴らしね！いいお部屋じゃない！」<br />
はしゃいで飛びついたのは佳代子さんのほうだった。幸太さんとしては家賃が予算よりもやや高いことが気になったものの、佳代子さんが礼金と月々の管理費を出してくれると提案したので、思い切ってこの高層マンションに決めた。<br />
だが幸太さんは、朝8時に家を出ると、いつも夜の11時頃までは帰宅しない。せっかく気に入った夜景も眺める時間がないほど忙しい毎日だった。<br />
佳代子さんはそんな幸太さんの体を気遣って、二カ月に1回ぐらいの割合で上京し、部屋の掃除などをしていた。洗濯ぐらいはかろうじて休日にまとめてやっているとはいえ、とても掃除までは手が回らないのをよく知っていたからだ。</p>
<p>10月初旬、佳代子さんはいつものように幸太さんの家にやってきた。朝11時頃から掃除を始め、午後2時頃に作り置きの料理の材料を買いに近所の商店街へ出かけた。<br />
1時間ほどで戻ってくると、テレビモニター付きのドアフォンに来客の履歴が残っている。画像を見ると、宅配便の配達員のような男の姿が写っていた。<br />
「あら？荷物だったのかしら？」<br />
郵便受けを確認しに行ったが、不在票は見当たらない。佳代子さんはあまり気にとめずに料理を始めた。野菜の煮物、シチュー、生姜焼き用に漬け込んだ豚肉、トースターに入れて焼くだけにしたピザトースト、豚肉の角煮......、幸太さんの好きな食べ物が次々に作られ、粗熱（あらねつ）をとるためにテーブルいっぱいに並べられた。<br />
「ふぅ～、これだけあれば、かなりもつわね」<br />
満足で独り言（ご）ちた佳代子さんは、マッサージチェアに身を任せてテレビをつけた。</p>
<p>午後6時。うっかり居眠りをしてしまった佳代子さんは目を覚ました。1時間近く寝たらしい。だいぶ早くなった日没は、幸太さんの部屋の中を薄暗くしていた。<br />
「あら、いけない......」<br />
佳代子さんは慌てて起き上がり、キッチンの電気をつけて、料理を食品保存用ファスナーバッグに詰めようとした。ところがファスナーバッグが残り一枚しかない。仕方なく、佳代子さんはもう一度商店街に出かけた。</p>
<p>午後7時。佳代子さんが作った料理を冷凍保存するためファスナーバッグにせっせと詰め込んでいると、幸太さんからの電話が鳴った。<br />
「あ、おふくろ？今日はありがとうね。今晩はちょっと早く帰ろうと思うから、一緒にメシ食って、たまには俺ん家に泊まってってよ」<br />
「そう？じゃあ、そうしようかしら。何時頃帰ってくるの？」<br />
「だいたい9時頃になっちゃうけど、近所におしゃれなダイニングバーがあるんだ。そこなら9時でも大丈夫だから」<br />
「あら、嬉しいわ。じゃあ、楽しみに待ってるわね」<br />
佳代子さんはウキウキと料理を冷凍室に詰め込んだ。</p>
<p>午後8時、佳代子さんは先に入浴して息子の帰りを待つことにした。<br />
浴室に向かおうとした時、佳代子さんは背後で物音がしたような気がした。何も物を置いていないはずのベランダのほうから聞こえてくる。<br />
佳代子さんは不思議に思いながらベランダのほうを見た。窓に掛かるカーテンが風で揺れている。佳代子さんは掃除を済ませたあと、窓の鍵を掛けていなかったことを思い出した。<br />
「こんな高い所に泥棒が入るはずないけど、鍵だけは掛けておかなきゃ」<br />
そう自分に言い聞かせながら窓に向かった佳代子さんの目に、思いがけないものが映った。部屋の窓際に、大男が立っていたのだ。<br />
「きゃあっ！誰なの？」<br />
大男は振り向いて佳代子さんを凝視した。<br />
「誰か来てえ！」<br />
佳代子さんは大声で叫んだ。だが大男のほうもまた、パニックに陥（おちい）っていた。大男はポケットからナイフを取り出すと、佳代子さんに切りつけた。<br />
「誰か助けて！」<br />
大男は「ちくしょう......」とつぶやき、玄関のドアを開けて走り去っていった。<br />
しばらくの間、佳代子さんは何事が起きたのかわからず茫然としていたが、やがて男に切りつけられた右腕が痛むのに気づいた。パックリと開いた傷口からは、鮮血がほとばしり出ている。<br />
その痛みで我に返った佳代子さんは、ヨロヨロと電話に近づいた。１、１、０......。1つずつ確かめるようにボタンを押した。ところが受話器からは、時報が聞こえるばかりだ。動転して正確に押すことができないのだ。3回目でやっと警察に通報することができた。</p>
<p>駅からかけた電話に佳代子さんがでないことを不審に思った幸太さんが走って帰宅したのは、その30分ほど後だった。家の前に数人の警察官が立っている。<br />
「何かあったんですか？」<br />
そう尋ねた幸太さんの目の前に、血まみれの腕を救急隊員によって仮処置されてい座り込んでいる佳代子さんの姿が飛び込んできた。<br />
「おふくろ！」</p>
<p>犯人はすぐに逮捕された。幸太さんのマンションの向かい側にある、古いマンションの6階に住むその大男は、38歳の元レスキュー隊員だった。<br />
交通事故を起こして足に怪我を負ったことで仕事を断念せざるを得なくなり、3年前に退院してからは定職に就くこともなく暮らしていた。生活を支える妻が仕事に出てしまうと、日がな一日、窓から街を眺めていたという。<br />
目の前に自慢気に立ちはだかる新しいマンションは、挫折した男のひがみや妬（ねた）みを増幅させていった。なかでも最上階に入居した1人暮らしの若者が颯爽（さっそう）と出勤する様は、羨望の対象というよりも、憎しみの対象になっていた。<br />
「若造のくせに、あんな所に住みやがって......。あいつの財産を奪ってやる......」<br />
男は毎日、幸太さんの部屋を観察するようになったのだ。</p>
<p>昔取った杵柄（きねづか）で、ロープをつたってマンションの屋上から最上階のベランダに下りることなど朝飯前だった。侵入当日は、幸太さんの不在を念押しするために、宅配業者を装って家を訪ねた。佳代子さんが買い物に出ていた時間だ。<br />
そしてマンションの屋上に上がる前に、部屋の電気がついているかどうか確認した時も、たまたま佳代子さんは二度目の買い物に出ていた。男はいつも通り深夜まで誰もいないと信じて疑わなかった。<br />
留守宅で犯行時間がたっぷりあると想定していた男は、計画では犯行後に屋上に戻って持ち帰る予定だった荷物と侵入用のロープを残したまま逃走した。後日、逮捕につながる証拠として充分だった。</p>
<p>幸太さんは引っ越すことに決めた。新しい住まいを探すに当たって、佳代子さんの言葉は、前とはずいぶん違っていた。<br />
「お願いだから、最上階はやめてね」</p>]]></description>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">防犯事例紹介</category>
            <pubDate>Tue, 09 Dec 2008 17:33:31 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title>空き部屋を狙った居直り強盗</title>
            <description><![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="防犯事例４：空き部屋を狙った居直り強盗イメージ画像１" src="http://www.j-cp.net/casestudy/case_004_01.jpg" width="150" height="180" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>子どもたちが独立して数年、渡辺義雄さん（60歳）と輝子さん（58歳）は、老年期にさしかかった夫婦2人だけの生活を楽しんでいた。現在30歳になった長男と27歳の長女がまだ小学生だった時に建てた自宅は、4人家族がゆったり暮らせるように設計したものだから、2人には充分すぎるほどの広さがある。</p>
<p>11月の冷え込んだ夜だった。義雄さんと輝子さんは、いつものように午後11時過ぎに1階の寝室に入った。子どもたちの幼い頃の思い出話で和んだまま、輝子さんはベッドサイドの灯りを消した。<br />
夫婦がすっかり寝ついた午前2時半、渡辺家では異変が起きていた。<br />
何も知らない輝子さんはトイレに目覚めた。夫婦の寝室からトイレまで続く廊下には感知式の照明が設置されているので、その灯りを頼りに輝子さんは歩いていた。<br />
用を足した輝子さんが寝室に戻ろうとした時だった。突然人影が近寄り、輝子さんの喉元（のどもと）にナイフを突きつけた。抵抗する間もなかった。<br />
「声を出すな！言うことを聞けば、何もしない」<br />
怯えきった輝子さんの両手の親指を手際よく結束バンドで縛った男は、輝子さんを寝室に連れて行き、義雄さんを起こさせた。<br />
「な、なんだ！ドロ......」<br />
叫ぼうとする義雄さんの顔をいきなり殴りつけ、口に粘着テープを貼った男は、<br />
「床にうつ伏せになれ！」<br />
と命じた。そしてベッド脇のクローゼットを開くと、中にあったネクタイで、うつ伏せになった義雄さんの手足を縛り、クローゼットの中に押し込んだ。義雄さんは必死で動こうとしたが、男はクローゼットの扉もネクタイで縛って輝子さんのほうに向き直った。<br />
「た、た、助けてください......」<br />
すがろうとする輝子さんの縛られた指は、すでに紫色に変色している。男は、輝子さんの結束バンドをナイフで切ると、<br />
「まずは、金を出してもらおうか」<br />
とドスのきいた声で脅した。輝子さんは、男にナイフを突きつけられたまま家の中をおどおどと歩き始めた。夫婦の持ち合わせの現金を探したが、2人分を合わせても54,000円しかない。輝子さんは次に宝石箱から宝石類を渡した。義雄さんが大事にしている時計や、結婚記念日に贈られた指輪などを含め、金額にすると800万円は下らなかった。<br />
「もうないのか？じゃあ、キャッシュカードだな」<br />
輝子さんは、命を守るためには従うしかないと観念していた。キャッシュカードを3枚渡した輝子さんに、男は<br />
「暗証番号を言え！もし違う番号なんか教えたら、必ず戻ってきてやるからな」<br />
と、ナイフを開け閉めして音を聞かせた。輝子さんは、かすれた声でそれぞれの暗証番号を教えた。男は、輝子さんの口に粘着テープを貼り、床に寝かせ、ネクタイで両手両足を縛って去って行った。<br />
輝子さんは30分ほどかけて自力でネクタイをほどき、クローゼットの中の義雄さんを救出した。義雄さんは精神的なショックに加えて持病の喘息（ぜんそく）の発作を起こしており、ぐったりしていたものの、救急車を予防とした輝子さんに、まず先に銀行のコールセンターに連絡をしてカードを止めるように指示する冷静さを残していた。<br />
だが男は、渡辺家を出てからわずか15分の間に、数カ所のコンビニのATMから合計230万円をすでに引き出していた。</p>
<p>通報を受けて駆けつけた警察官が家の中を捜索すると、長女が使っていた2階の部屋の窓ガラスが割られていることがわかった。<br />
長女の部屋は裏庭に面している。女の子の部屋が道路から見えると物騒だと思った輝子さんの配慮だった。その窓には網入りのガラスが入っていたが、それはあえなく割られていた。<br />
子どもたちが使っていた2階にある2つの部屋は、今はまったく使っておらず、それぞれの住まいに置ききれない物などが雑然と置かれている。輝子さんが１カ月に一度ぐらいは換気をするものの、ふだんはカーテンも閉めたままにしていたし、もちろん夜になっても灯りをともすことはなかった。<br />
警察官が侵入口になった窓から裏庭をのぞき込むと、そこには長い脚立が置いてあった。前の日に義雄さんが庭の柿の木になった実をとるために使ったものだ。一部に錆（さび）が出ていたので、手入れをしてからしまおうと思ってそのまま庭に置いていたのだ。犯人がその脚立を使って侵入したことは間違いなかった。</p>
<p>やがて、この犯人は逮捕された。<br />
渡辺家に狙いをつけた男は、犯行に及んだ2週間ほど前から、50メートルぐらい離れた空き地に車を停め、毎晩のように車の中から観察していた。その場所は古い家屋が取り壊され、ビルが建てられる予定だったが、計画が頓挫（とんざ）したまま空き地になっていた。<br />
真っ暗な空き地なので、男は人に気づかれることなく見ていたつもりだったが、実は毎晩犬の散歩をしている近隣の商店主が不審に思い、車のナンバーを控えていた。この商店主は地域の防犯パトロールに参加しており、日頃から不審人物や不審車両には注意を払っていたのだ。<br />
逮捕された男は、いつも灯りもつけず人けがない2階の部屋に目をつけ、忍び込みを企んだと自供した。しかし、ナイフと結束バンドを持っていたことで、家人に見つかった時には居直るつもりがあったことも認めた。<br />
輝子さんを捕らえる寸前、男はリビングルームの壁にかかった額の裏を物色していたという。その時に額が外れガタンと音を立ててしまったことで、てっきり輝子さんに見つかったと思い込み、居直り強盗に変身したのだ。<br />
引き出された現金は戻らなかったものの、宝石類については、幸い犯人が処分する前だったので手元に残った。<br />
だが義雄さんは、その夜の喘息の発作から呼吸困難に陥（おちい）って入院した。輝子さんは縛られた両手の親指に痣（あざ）が残り、睡眠薬を飲まずに眠ることができない日々が続いている。<br />
命が狙われるという最悪の事態は免れたとはいえ、心に残った傷は、簡単に癒されるものではない。独立した2人の子どもたちは、親元に戻ることにした。</p>]]></description>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">防犯事例紹介</category>
            <pubDate>Tue, 09 Dec 2008 17:30:59 +0900</pubDate>
        </item>
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            <title>オートロックを過信したツケ</title>
            <description><![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="防犯事例３：オートロックを過信したツケイメージ画像１" src="http://www.j-cp.net/casestudy/case_003_01.jpg" width="150" height="180" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>安岡翔さん（28歳）は、大学時代に立ち上げたホームページ管理会社を友人と経営し、なかなかの成果を上げている起業家だ。妻の美鈴さん（33歳）は、外資系の銀行で運用アドバイザーとして活躍し、育児休暇の1年間を惜しむように過ごした後に現場復帰を果たしたキャリアウーマンである。<br />
夫妻には亜里砂ちゃん（4歳）という娘がいるが、保育時間が長い保育園に預けており、2人は朝8時に自宅を出ると時には深夜まで帰宅しないこともあった。</p>
<p>2人は若いながらも頑張ってマンションを購入した。オートロックが完備され、昼間は管理人が常駐し、内装に高級感のある8階建てのマンションの5階を選んで入居した。<br />
平日は留守にしている時間が長いものの、午後8時まではマンションのエントランスに管理人がいるし、なにしろオートロックなので、泥棒の心配はないと思っていた。そのため2人とも、施錠に関してはおろそかにしがちだった。</p>
<p>11月末の日曜日、最初に目覚めたのは翔さんだった。時刻はすでに午前10時に近づいている。美鈴さんは前夜は同僚の送別会があり、帰宅したのが午前1時で、床に就いたのは午前2時を回っていたため、まったく目覚める様子を見せなかった。<br />
翔さんが起き出した物音で、亜里砂ちゃんも起き出してきた。3人は玄関から一番奥の、ベランダに面した部屋で一緒に寝ている。リビングルームで新聞を広げる翔さんを通り越してトイレに向かった亜里砂ちゃんは、ふと玄関脇にある部屋をのぞいた。<br />
「ダディー、ご本のお部屋、どうしてあんなに散らかしちゃったの？」<br />
亜里砂ちゃんは、夫婦が書斎代わりに使っているその部屋を「ご本のお部屋」と呼んでいた。<br />
翔さんは、あまり頓着せず、<br />
「マミーが、夜遅く帰ってきて捜し物でもしたんじゃないの？」<br />
と答えたが、亜里砂ちゃんは納得しない様子だった。いつもは閉まっているドアが開いていることも不思議だったし、いくら大雑把（おおざっぱ）なマミーでもこんなには散らかさないと思ったのである。<br />
リビングルームに戻らない亜里砂ちゃんの様子を見に行った翔さんも、部屋の状態を見て愕然とした。<br />
翔さんは、亜里砂ちゃんに美鈴さんを起こすように言い、1人で荒らされた部屋に入っていった。書棚の本が20冊ほど抜き出され、床に散乱していた。その書棚に置いてあった、辞書にカモフラージュした貴重品保管箱が見当たらない。翔さんは必死に捜したが、キャッシュカードと現金300万円が入った保管箱は見つからないままだった。<br />
その場に寝ぼけ眼（まなこ）でやってきた美鈴さんは、目を見張った。<br />
「な、何これ......？」<br />
やっと発した言葉だった。</p>
<p>前夜は帰宅が遅くなることで、亜里砂ちゃんの迎えには翔さんが行った。翔さんは亜里砂ちゃんとファミリーレストランで夕食を済ませ、午後9時には帰宅し、亜里砂ちゃんを風呂に入れて10時には床に就かせている。<br />
その頃、「これから三次会に行きます」というメールを美鈴さんから受け取っている。翔さんはいつも寝不足気味なので、先に寝ることにした。「鍵は持ってる？」と翔さんが送ったメールにも「持っているから大丈夫、おやすみ～」と明るいメールが返ってきた。翔さんは亜里砂ちゃんの傍らで、数分と掛からず眠りに落ちた。<br />
美鈴さんは、かろうじて間に合った終電車で帰宅した。駅からのバスは終わっていたのでタクシーを利用した。<br />
美鈴さんはタクシーの車内で運転手とこんな会話を交わしている。<br />
「この頃、このあたりで泥棒が多いらしいですよ。おたく、大丈夫ですか？」<br />
「そうなの？でも、うちのマンションはオートロックだから心配ないわ」<br />
帰宅した美鈴さんは、家族を起こさないように静かに玄関ドアを開け、そっとドアを閉めて部屋に入った。エントランスのオートロックへの過信と、飲酒による気のゆるみで、タクシーの運転手から泥棒の話を聞いていたにもかかわらず、いつものように施錠はしなかったのだ。<br />
美鈴さんは入浴を済ませ、郵便物のチェックをしたあと、2時過ぎに家中の灯りを消して眠りについた。</p>
<p>安岡宅が消灯したのをマンション1階の吹き抜けから確認した男が、エレベーターで5階に上がり、前もって無施錠であることを知っていた安岡家のドアに手をかけた。すんなりとドアノブは回り、家人が寝静まった室内はなんとも無防備な状態になっていた。<br />
男は手際よく玄関脇の部屋に入り込み、カモフラージュされた貴重品保管箱から盗みを働いた。すべてがわかっているかのような犯行だった。</p>
<p>犯人は、以前に観葉植物の鉢を届けに来た花屋の元店員だった。<br />
「立派なマンションですね。それに、管理人さんもいるから安心ですね」<br />
と話しかけた男に、<br />
「そうよ。それに、オートロックだから鍵も掛けたことなんかないの」<br />
と美鈴さんは自慢気に話してしまったのだ。男はこの言葉を聞き漏らさなかった。室内を見回すと、家具や調度品も立派なものが揃っており、玄関に置かれた靴も高級ブランド、そして美鈴さんの指にはいかにも高価そうな指輪が光っていた。</p>
<p>男には侵入窃盗の前科があった。真面目に花屋で働くようになっていたが、美鈴さんの言葉を聞き、豊かな様子を見ているうちに、過去の悪癖が再燃してしまったのだ。<br />
男は昔の仲間に声をかけ、2人で24時間態勢の監視を続けて、翔さんの会社や美鈴さんの仕事も調べ上げた。翔さんが経営者であり、月末には給料に充てる現金を持ち帰ることもわかっていた。現金を自宅に持ち帰った日がチャンスであり、家人が寝静まれば犯行はやりたい放題だと見越していた。<br />
2人組は、人を傷つけてまでの犯行は望んでいなかった。ただ、楽して大金をつかみたかったのだ。そんな2人にとって、安岡家は絶好のカモだった。</p>
<p>主犯の30代の男は捕まらなかったが、相棒の40代の男が後日、事務所荒らしで警察に捕まったことで、事件の全貌が明らかになった。<br />
侵入当日、翌週の月曜日が翔さんの会社の給料を手渡す日であることを突き止めていた男は、朝から翔さんのあとをつけていた。案の定、午後2時過ぎに銀行に向かった翔さんは、ATMから数回に分けて現金を引き出した。男たちは、この日を犯行日に決めた。</p>
<p>なんと、犯人たちは、翔さんの帰宅と一緒にマンション内に侵入したのだった。翔さんは無頓着なほうだったので、よその家のお客さんだとしか思わなかったという。<br />
敷地内に入った2人組は、ベランダ側の窓が見える中庭に潜んで犯行の時を待った。予想よりも美鈴さんの帰宅が遅かったものの、2時に消灯した場合、4時になれば犯行が可能であると踏んでいた。</p>
<p>すべてが首尾よく、しかも思った以上に大金を手に入れることができた犯人は、しばし満足の日々を過ごしていたのである。<br />
安岡夫妻はそうはいかない。オートロックによる安全を過信したことと、大金を自宅に保管していたこと......、すべてが反省の材料だった。</p>]]></description>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">防犯事例紹介</category>
            <pubDate>Tue, 09 Dec 2008 16:57:35 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title>家の周囲は盲点だらけ</title>
            <description><![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="防犯事例２：家の周囲は盲点だらけイメージ画像１" src="http://www.j-cp.net/casestudy/case_002_01.jpg" width="150" height="180" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>地元で不動産業を営む社長の坂本勇治さん（53歳）は、朗らかな人柄で信頼されている好人物だ。妻の清香さん（48歳）と2人の娘（17歳、20歳）と暮らしている。<br />
3年前に買った2階建ての自宅は、ゆったりした敷地に同じような風情（ふぜい）の建て売り住宅が点在する住宅街の一角で、私鉄の線路に面している。西隣には、まだ入居者が決まっていない建て売り住宅があり、昼間は不動産販売会社の人が出入りしている。</p>
<p>5月のうららかな金曜日の午後だった。勇治さんは事務所を出ると、日曜日の取引に必要な現金を引き出すために、郵便局の本局に向かって車を走らせた。<br />
駐車場に車を停めて郵便局に入る自分の姿を、他の車の中から目つきの悪い男が見ていることに、勇治さんは気づかなかった。男が勇治さんを見かけたのは偶然だが、悪事を重ねているその男は、勇治さんの顔も、不動産屋の社長であることも知っていた。男は同乗していた仲間に声をかけると、同じ仲間の女とアベックを装って郵便局に入り、受付の券を取っ手からロビーのソファーに腰を掛け、順番待ちをしているふりをした。<br />
勇治さんは窓口の女性に呼ばれてカウンターに行き、目の前に積まれた400万円の束を郵便局の封筒に入れると、それを茶色のアタッシュケースにしまった。その様子をソファーから見ていた男は、車で待つ仲間に電話を入れた。<br />
「4、500万円は引き出したぞ」<br />
「よし、わかった」<br />
3人は車に乗り込み、気づかれないように勇治さんの車のあとをつけていった。人けのない道で勇治さんの車に追突し、揉（も）めている間に金を奪うという算段だ。ところが勇治さんの車は事務所ではなく、そのまま自宅に向かい、適当な機会が見つからないうちに着いてしまったため、やむなく計画を変更して、線路の反対側にある、約50台の車が入る月極駐車場から勇治さんの家の様子を窺（うかが）うことにした。</p>
<p>明けて土曜日の朝。勇治さんはゴルフに出かけた。快晴の空の下でクラブを振り抜き、ボールと一緒に日頃のストレスも吹き飛ばした勇治さんのスコアは上々で、ご機嫌な1日が過ぎた。<br />
帰りがけにメンバーから打ち上げに誘われたが、勇治さんは断った。出がけに次女から、「パパ、いつも仕事ばっかりで一緒に食事もしないんだから。たまには焼き肉にでも連れてってよ」とせがまれていたからだ。それを聞いて、いつもはアルバイトで帰宅が遅い長女までもが、「え？そういう計画？じゃあ、バイト誰かに代わってもらお～っと！」と、はしゃいでいた。そんな娘たちの強引さに、勇治さんは渋々ながら家族を連れて焼肉店に行くことにしていたのだ。<br />
夕刻、坂本さん一家は勇治さんの運転する車で出かけていった。家族揃っての久しぶりの外食に、清香さんも娘たちも嬉々として話が弾み、勇治さんは家族がいる幸せを噛みしめていた。まさか何者かが線路の向こう側から坂本家の外出する様子をみているとは思う術（すべ）もなかった。</p>
<p>焼肉店で楽しい夕食が始まった頃、その裏で一家の平和は打ち砕かれていた。<br />
犯行グループは、1人の見張りを立てて、1階にある勇治さんの書斎の高窓を手際よく破っていた。書斎は西側の隣家に面しており、道路からはまったく見えない死角になっている。高窓の下にはエアコンの室外機が設置されていた。<br />
坂本家の前を走る私鉄は本数が多く、電車は5分と空けずに往来する。電車が通過するゴーッという騒音は、窓ガラスを破る音ですら消してしまうほどだ。まして、その窓に隣接するのが空き家なのだから、犯人にとってはこのうえなく好都合な状況だった。<br />
書斎の高窓はレースのカーテンを引いているだけで、机の上もソファーに放置してあるアタッシュケースも外から丸見えになっていた。防犯のつもりでつけていった廊下の灯りが、中の様子を見えやすくしていたのだ。<br />
犯行グループは室外機の上に靴を脱いで侵入したため、室内には足跡を残さなかった。そして目当てのアタッシュケースを開けて中を確認すると、それを持って素早く逃走した。他の金品には目もくれなかった。<br />
犯行が行なわれて1時間後、坂本さん一家は満ち足りた気分で帰宅したが、勇治さんだけはゴルフ仲間の飲み会に合流するために、その足で再び出かけていった。<br />
書斎には、ふだんから勇治さん以外の家族が出入りすることはない。深夜を回って帰宅した勇治さんは、そのまま寝室へ直行して床に就いてしまった。</p>
<p>明けて日曜日の朝、取引に向かうために身支度を済ませた勇治さんは、アタッシュケースを取りに書斎に行った。だが部屋に入った瞬間、勇治さんの心臓は止まりそうになった。間違いなくソファーの上に置いたはずのそれが、どこにも見当たらないのだ。勇治さんは叫んだ。<br />
「清香！清香！おーい！」<br />
日ごろは聞いたことのない勇治さんの大声に、清香さんは慌てて駆けつけた。<br />
「どうしたの？」<br />
「おまえ、ここに置いた俺のカバンをどこへやった？」<br />
「知らないわよ」<br />
「美香と千香に訊いてみろ！」<br />
「美香ちゃーん、千香ちゃーん！」<br />
休みの日に朝から呼びつけられて仏頂面の娘たちに、血相を変えた勇治さんが訊いた。<br />
「俺のカバンを知らないか？」<br />
「知らないわよぉ」<br />
その時、ハッとした清香さんが、窓辺に行ってレースのカーテンを開けた。<br />
「キャー！」<br />
娘たちも叫んだ。<br />
「ウソー！」<br />
書斎の窓ガラスが切り取られたように壊され、クレセント錠は開いたままである。<br />
「やられた！」<br />
清香さんがおそるおそる窓の外を見下ろしてみると、室外機の上には大きな足跡が残っていた。</p>
<p>金曜日に勇治さんが帰宅してから今朝までの間に、何者かが侵入したのだ。ガラスを割る音に気づかなかったところをみると、就寝中か外食に行った時だと推測された。就寝中であればいくらなんでもガラスを破る音に気づいただろう。「やはり食事に出かけている間に」と思うと、勇治さんは楽しく外食していた時間が恨めしくなった。だが、通報を受けて駆けつけた警察官から、<br />
「もし人がいる時に侵入されていたら、とんでもない被害に遭ったかもしれなかった」<br />
と言われ、その恐ろしさに気づいた時は言葉も出なくなった。<br />
勇治さんは、その日の仕事をキャンセルした。他には被害がないことから考えて、アタッシュケースを狙ってきたとしか思えない。勇治さんは「なぜ家に400万円を置いていることを知っていたのだろう」と不思議でならなかった。</p>]]></description>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">防犯事例紹介</category>
            <pubDate>Tue, 09 Dec 2008 16:52:10 +0900</pubDate>
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            <title>窓に設置した「気休め」の補助錠</title>
            <description><![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="防犯事例１：窓に設置した「気休め」の補助錠イメージ画像１" src="http://www.j-cp.net/casestudy/case_001_01.jpg" width="150" height="180" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>都心から一時間ほどの住宅地に住む榊原家は、浩さん（46歳）、光子さん（45歳）、それに息子2人の4人家族だ。家は数年前に30年のローンを組んで購入した、約30坪の土地付き一戸建てである。</p>
<p>同じような家が建ち並ぶこの街にも、やっと手に入れた念願のマイホームにも、光子さんはとても満足していた。<br />
電車の最寄り駅から徒歩7、8分で行ける、住宅地の中でも駅に近い所にあるので、どこへ出かけるにも楽だった。バス通りから1本奥に入った所にあるため、車の音に悩まされることもない。<br />
2階建てで、駐車スペースのほかに手狭ながらも庭があり、光子さんが欲しかったものは全部揃っている。東南の角地なので日当たりも風通しもよく、快適だった。それまでの賃貸マンションから一戸建てに引っ越したことで、光子さんの長年の夢だった猫も2匹飼い始めた。<br />
榊原家は、街の住人が駅に行くのに利用する道に面しているため、家の前は人通りが多い。また、専業主婦の光子さんは買い物に行く以外、あまり外出をしないほうだった。だからまさか自分の家が空き巣に入られるなどとは、光子さんは夢にも思っていなかった。それでも、日が落ちる頃には外灯をともし、外出する時には家中の施錠を確認するぐらいのことは怠っていなかった。</p>
<p>その夏は猛暑だった。光子さんはいつも日中の外出を避けて、買い物は夕方にしていた。<br />
暑さにうだる8月中旬のある日、夕方とはいえ蝉時雨（せみしぐれ）が街中に響く中を、ひと通りの戸締まりを確認した光子さんはいつものように夕食の買い物に出かけた。家を出てから帰宅するまでに1時間足らずの外出である。</p>
<p>駅前での買い物を終え、暑さでへとへとになって帰宅した光子さんは、すぐに家中の窓を開け放そうとした。<br />
そして駐車スペースの奥にある部屋に入った時、光子さんは異変に気づいた。その部屋から縁側へ出入りできる窓、いわゆる掃き出し窓が、ぴったりと閉まっていたのだ。その窓はいつも猫が自由に出入りできるように、15センチほど開けておくのが習慣だった。<br />
「あら、開けていくのを忘れたのかしら......」<br />
だが、開けた時に止めておいた補助錠が見当たらない。猫が通れる幅以上は開かないように付けているもので、サッシ窓用補助錠として本来の使い方ではないと知ってはいたが、開けっ放しはさすがに不安なので、何もないよりはいいと思って使っていたのだ。</p>
<p>なんとなく不穏に感じた光子さんは、2階の部屋を確認しに行った。すべてのドアを閉めて出かけたはずなのに、主寝室のドアが少し開いている。寝室のドアを開けた光子さんは、おののきながらも叫んでみた。<br />
「誰？誰かいるの？」<br />
自分の声だけが、人のいない家に響いた。おそるおそる室内に入ると、クローゼットの扉が開いたままになっている。クローゼットの中の、毛布をのせてカモフラージュしてあった手提げ金庫はなくなっていた。その中には、家の権利証書、生命保険証書、定期預金証書、実印、印鑑登録証、そして現金30万円が入っているはずだった。<br />
光子さんは、震えが止まらないまま、すぐに浩さんの会社に電話をした。会議中のところを呼び出してもらい、すぐに帰宅してくれるように頼んだ。<br />
受話器を置いた光子さんは、そのまま崩れ落ちるように床に座り込んでしまった。もはや警察に電話することも、家の中を見回ることもできなかった。ショックのあまり何も考えられなくなっていたのだ。<br />
1時間半ほど経って、ようやく浩さんが帰宅した。浩さんは呆然（ぼうぜん）としている光子さんから、外出した時の様子や被害の状況などを聞き出そうとした。だが、ショックで混乱している光子さんは、1階の窓が閉まっていたという異変についても思い出せない。かろうじて外出した時間だけは把握できたところで、浩さんはようやく警察に通報した。<br />
警察官が到着する前に、浩さんは家の中を見回った。縁側に面した掃き出し窓のある部屋に入ると、いつも使っている補助錠が部屋の隅に転がっている。どうやら犯人が侵入する時に、少し開いていた窓を力まかせに開け、その拍子に補助錠が飛ばされたようだった。<br />
庭を見ると、いつもは人が歩かない芝生の上にえぐれたような跡があった。<br />
猫の出入りのために少しだけ開けておいた掃き出し窓が侵入口となったのは間違いない。</p>
<p>実はこの住宅地では、最近になって空き巣被害が多発していた。それなのに光子さんは、「うちは人通りが多い角地にあるし、私はほとんど家にいるんだから大丈夫」だと思い込んでいた。安心しきっていた光子さんを突き崩した衝撃は大きかった。<br />
だが、そもそも、その安心が甘かったのだ。実際、家の前の道は、通勤通学の時間帯こそ大勢が往来しているものの、昼間はほとんど人通りがない。歩いているのはせいぜい戸別訪問のセールスマンぐらいである。光子さんもセールスマンの姿は見慣れていた。その日も外出した時にセールスマン風の男とすれ違ったが、特に気にとめることはなかった。<br />
榊原さんの家に侵入した男は、毎朝その住宅街のはずれに車を停めて下見に回っていた窃盗の常習犯だった。セールスマンのふりをして街の中を歩き、目をつけた何軒かの家が留守になるのを待っていたのだ。２ヵ月にわたる下見の結果、光子さんの家は標的の1つに入っていた。</p>
<p>その日、光子さんは買い物に出る姿を見られていた。服装などからして遠くまで出かけるとは思わなかったが、男にはお金のある場所の見当がついていたので仕事は楽だった。<br />
男は下見をした時に、2階の窓にペアの布団が干してあるのを見ていた。夫婦の寝室であることが容易に推測できたため、男は侵入後その部屋へ直行したのだ。狙い通り、夫婦の寝室には金庫が隠されていた。</p>
<p>男にとって好都合だったのは、それだけではない。草花の手入れが好きだった光子さんは、庭に花壇を作って季節の花を育て、庭を囲むようにいろいろな木も植えていた。夏には低木の葉が茂る。一旦庭に入り込んでしまえば、その葉が隠してくれるので、不審者の姿はもはや道からは見えないのだ。もちろん、縁側に面した掃き出し窓のあたりも、外からは見ることができない。<br />
実際に、犯人は駐車スペースにある車の後ろから掃き出し窓のある庭に入っていった。車の所さえ誰にも見られずに通ってしまえば、あとは庭木がその姿を隠してくれる。また、庭が芝生だから足音もしない。そして、力まかせにサッシを開けたことで飛ばされた補助錠も、家の中に転がっただけなので物音は出なかった。</p>
<p>後日、捕まった犯人の手帳には、克明に下見をした家々の家族構成、外出時間などの情報が数十軒分も書き込まれていた。インテリアやカーテンから推測される部屋の持ち主まで、すべて記されていたのだ。ちなみに、榊原家のところには◎が付いていた。</p>]]></description>
            <link>http://www.j-cp.net/casestudy/000108.php</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">防犯事例紹介</category>
            <pubDate>Tue, 09 Dec 2008 16:42:42 +0900</pubDate>
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